珍しい巨大な穴窯
一般的な穴窯が、人間一人が屈んでやっと入ることのできる”地を這うような”出入口であるのに対し、「梓」の穴窯は大人が立ったまま移動できる高さを有します。これは作業がしやすいだけでなく、他の穴窯では作ることのできない大物(オブジェなど)を焼けることを意味しています。
作り手にとっての楽しみも、器や作品の可能性も広がっていく、そんな窯です。
*穴窯:連房式の「登り窯」と異なり、単室の「穴窯」は温度管理が難しく、焼き時間も長く燃料費もかかる反面、非常に個性的な焼き上がりとなる特徴を持つ。
相良焼とは
当窯「相良焼」は、歴史こそ持たない全く新しい窯元です。
日本の焼き物には古くから、茶の湯文化を発祥として、産地ごとに地域の土や素材の特色などを生かした呼称があります。たとえば佐賀県の有田焼や伊万里焼など。
梓は、相良焼初代窯元として「原材料や土などには、一切のこだわりを持たない」のがこだわりです。ほかの陶芸家が相手にしないような土の方が面白く、窯を開けるまで何ができるか分からないことさえ本当に楽しいのです。